第1章 篇首 【夢】
『ばば様、じじ様。ご無事ですか?いらっしゃったらどうか御返事ください.....どうか.........。』
どれだけ叫び、走ったかわからなかった。
灼熱の炎と割た硝子や木片などで足は爛れ、声も枯れ尽きていた。
本当はもう分かっていた、もう、私以外誰もいない。
私は独りになったのだ。そして、私の生も此処で朽ちるのだ...鬼.....の様な姿の化物と目が合った。不思議と恐怖心はなかった。
『いっそ一思いに、祖父母...両親に会わせて下さい。』
そう呟いて眼を閉じた。
皆、もうすぐ其方へ行きます...。
____もう、とうに衝撃が来てもおかしくないはずなのに、一向に痛みは襲って来ない。それどころか心做しか先程までの熱さも消えていた。
一思いに とは言ったがこんなにも楽死できるものなのか?
不審に思い薄目を開くと目前には
珍妙な動物の 尾...?