第2章 路地裏アンアンin上杉謙信
春日山城広間にて
佐助「謙信様、いいかげんにしてください」
謙信「何がだ」
佐助「路地裏で忍さんと致すのに、
軒猿を出動させないでくださいと言っているんです」
謙信「仕方なかろう?
忍の愛らしい姿を、
ほかの男に見せるわけにはいくまい」
佐助「路地裏でしないという選択をまずしてください。
出動命令が出たから何かと思ったら、
路地裏で致すから人払いをしろだなんて、
軒猿の使い方がおかしいです」
謙信「俺のものを俺がどう使おうとかまわぬであろう。
第一上杉の後継ぎにかかわる行いなのだから、
お前たちも無関係とはいえまい」
佐助「ですからそういうのは閨か宿で行ってください。
忍さんを、
謙信様が好きすぎるのは分かりましたが、
やれ忍に悪い虫がつかぬよう見張れだの、
忍さんの体調を教えろだの、
最近そんな命令ばかりじゃないですか!!」
五百年後だったらパワハラだのセクハラだの、
訴えられますよと佐助はそんなことを思った。
もっとも忍の路地裏やめてくれ、
ですら聞かないこの男が、
自分の訴えなど聞いてくれないことぐらい、
佐助は分かり切っていたのだが、
謙信の口調を真似ながら謙信に文句をつけるのを、
やめることはできなかったのだった。
おしまい