第17章 いつもの刺激的な日常
「ねえ?秀一さん・・・風邪ひいちゃう・・・」
「そう、だな・・・っ」
身体が次第に冷たくなってきて。
ふらつきながらなんとか起きて、とりあえず濡れたシーツをまとめて床に放った。
ぐっしょり濡れた下着も脱いで、今更裸になる。
「・・・今日は俺のところで寝るか」
「うん、そうする・・・もうねむい」
秀一さんの部屋に移って裸のまま布団に潜り込む。
ひんやりしたシーツが肌にあたって身体が縮こまる。
秀一さんが隣に入ってきて、ふわりと温かい肌に包まれると、また身体の力が抜けていく。
背中を撫でられるとすぐに意識が遠のいていって、そのまま眠った。
朝になって起きると、いつもの事だけど秀一さんは隣にはいなくて。
自室に戻るとシーツは既に替えてあって、一階に降りれば昴さんが朝食の用意をしてくれてる。
本当に頭が下がる・・・
支度を済ませて一緒に朝ごはんだ。
「いつも朝はしてもらってばっかりで・・・本当ありがとうございます・・・」
「いいんです。僕は人より早起きしないといけませんからね」
「でも、うーん・・・例えば、わたしが朝ごはんとか準備するから、その間に変装するとかどうですか?それなら毎朝一緒の時間に起きれるかも?」
「かおりさんはいつも気持ち良さそうに寝てますからね・・・起こすのが申し訳ないです」
「起きたときに隣に秀一さんがいない方が寂しい、です」
「おや、そんな可愛らしいこと思ってたんですか」
「思いますよー・・・それにこれから忙しくなりそうなんでしょ?」
そうなのだ。
組織のラムかもしれない人物がいっぺんに三人もあがってきたおかげで、コナンくんやFBIの皆さんは忙しいらしく、秀一さんもできる限り手伝わなくては、と昨日話していたのだ。
「ではお言葉に甘えて・・・そうさせてもらいましょうか」
「はい・・・あ、事務所宛にメールがきてる・・・」
つい先日、メールでの問い合わせ先を作ったばかりのところなのに、早速メールで依頼の相談がきた。
「依頼ですか?」
「そうなりそうですね、娘の婚約者の身辺調査・・・よくある話です」
「一人でできそうですか?」
「これくらい一人で十分です。忙しい秀一さんの手を借りる訳にはいかないです・・・」