第5章 これからも
そして2人はBARへと入っていく。
何度も2人で来ていて今では常連客だ。
「バーボンで」
彼女はあれからバーボンを頼むようになった。
俺が勧めたというのもあるがそれでも嬉しい。
「降谷さんこの前一緒に生きようって言ってましたよね?」
「? あぁ。それが何か?」
「一緒に生きようってなんだかプロポーズみたいだなって思っただけです」
彼女に言われて初めて自分が言ったことへの恥ずかしさが溢れてきた。
「ちが、あれは、咄嗟に出た、言葉で、」
こんなにも慌てたことなんてないかもしれない。
「あはは、降谷さんが慌ててる」
彼女はお腹痛い!と言いながら笑っている。
「嬉しかったんです。祖母だけが頼りだった私に手を差し伸べてくれたことが」
彼女はバーボンを一口飲んだ。
「これからもよろしくお願いしますね降谷さん」
彼女が微笑んだ顔が綺麗で輝いていて俺はこの笑顔をずっと守りたいと思ったんだ。
「あぁ。これからもよろしく頼む」