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〖 ハイキュー!!〗~ 夏の終わりに ~合同コラボ作品集

第7章 とっても小さな恋のものがたり ( 国見英 )


気力を振り絞って、いつもの場所へと歩き出す。

大丈夫、まだ頑張れる。

あと少し···もう少し···遠くに見慣れた人影が見えて来て···だけど···もう頑張れないやとへたり込んだ。

気が付けば、へたり込んだ視線の先には大きな靴が見えて。

ゆっくり顔を上げれば、大好きなあの人が覗き込んできた。

国「お前、大丈夫か?」

初めてあった時と同じ言葉をくれて、嬉しかった。

嬉しいけど、何も言えずに···はぁはぁと小さく息をするのが精一杯で、言葉の代わりにほろりと涙がひと粒落ちて行った。

国「大丈夫じゃなさそうだな···お前、家は?って聞いても、そんなんじゃ答えられねぇよな···どうすっかなぁ···よし、こういう時は仕方ない」

ふわり···と体が宙に浮く感じがして、思わず体を硬直させる。

国「っと、危ないから暴れるなよ?とりあえずオレん家に連れてく。ここにうずくまってるよりいいだろ」

クタリとした体が、ゆっくり···ゆっくりとどこかへ運ばれて行く。

ずっとずっと見つめ続けてた人が、こんなにも近い所にいる。

クン···と大好きな人の香りを吸い込みながら、その大きな胸元に顔をすり寄せた。






国「ただいま」

「あら、おかえり英···ちょっと、どうしたのその子は」

国「知らね···でも、道端にうずくまってたから連れてきた。何とかなんねぇ?」

「なんとかって···でも、随分具合い悪いみたいね···どこの子なのかしら···」

聞いたことがない声にうっすらと目を開けると、そこには大好きな人に良く似た感じの、女の人がいた。

国「どこの誰だかわかんねぇけどさ、ほっとけなくて。こいつ、学校行く時によく見かけてたヤツだし」

···私のこと、知ってたの?

「う~ん···どうしましょう···でも仕方ないわね、お母さん車出してあげるから、とりあえず病院つれていってあげようか?」

国「じゃ、オレも行くわ」

バタバタと大きな音がして、外の景色が流れ出す。

その間も、ずっと優しく抱き抱えてくれて···その温かさに、また目を閉じた。





どれくらい経ったのか分からないけど、チクリとした痛みで目が覚める。

ここ···どこなの?

初めて見る場所に戸惑いながら、キョロキョロと周りを見回す。

知らない場所だ···

国「あ、起きた」
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