第3章 変化
「うっ……く、ぅぅ……んんっ……。」
苦しむ楓が目の前にいる
首にはおぞましい呪印がしっかりと刻まれていた
大蛇丸の、呪印だ。
「楓!!!!楓!!!!大丈夫か!!今すぐ、今すぐ助けるから…!」
俺はもつれそうになりながら楓に近づく。
どうしてこんなことにっ…、
サスケだけじゃなく楓まで…
そんな…嫌だ、嫌だ嫌だ……
現実を拒否し続ける自分がいる
手が震える
封邪法印…
俺に、できるのか?
俺は…失敗したのに??
サスケは俺でなく大蛇丸を選んだ
力を欲して、大蛇丸を選んだ
俺が大蛇丸よりも、弱いからだ。
俺が弱いから、俺が弱いから、
俺は、弱い。
「先生がもっと強かったら…、サスケ君は行かなかったの…?
私が強くなれば、サスケ君は連れ戻せるのかな…
……これで、私、強くなれるんだよね?」
さっきまで苦しんでいた楓がスッと
立ち上がる
ダメだ、やめてくれ…行かないでくれ……
楓が俺に背を向け歩いていく
「…楓っ!!!!」
どんどん遠ざかる
俺をっ…俺を独りにしないでくれっ……
「楓っ…楓、楓、楓………」