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【イケメン戦国】夢と知りせば覚めざらましを

第12章 【秀吉・後編】※R18


「なっ…!光秀!!」
振り返るとそこには、相変わらず不敵な笑みを浮かべる光秀が立っていた。
「光秀様!!!」
竜昌は、光秀の姿をみとめると、広げた書状で真っ赤になった顔を覆い隠すようにしながら、脱兎のごとくその場から逃げだした。
「あ、おい、竜昌!」
「仲が良いのはいいことだが、もう少し人目を気にしてもバチはあたらんぞ?秀吉」
「…っテメエ…」
怒りと羞恥でプルプルと震えていた秀吉だったが、突然ふと真顔に戻ると、まっすぐに光秀の目を見つめた。
「光秀、まさか…お前…」
「ん?」
しかし、見つめたぐらいでは、光秀の真意はまったく読み取れない。秀吉は言いかけた言葉を飲み込むと、ニコッと笑いかけた。
「いや…お前には感謝してる。ありがとな」
そう言うと、初めて光秀の表情に、動揺が走ったのが見えた。
驚いたように秀吉を見つめ返す光秀。
「なんだ急に…気味の悪い。それより追いかけなくていいのか?」
「そのつもりだ」
秀吉は笑顔のまま踵を返すと、竜昌の去った方へと走っていった。
光秀もまた、薄く笑みを浮かべながら、秀吉の後ろ姿を見送った。


<秀吉・後編 完>


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