第11章 車の中で…
「えっ!?…レイって…僕等と同じマンションに住んでんの!?」
「社長の計らいなんだと…何もプライベートはノウカンだから…プライベートの彼女にも会って見たらってさ!社長が」
これには、先程聞いていた話などどうでも良くなる事実だった。
知らなかった。
「えっ…じゃあ…彼女…今日の収録ここから、2時間も前につけるように移動したの?」
「そうなるなあ!」
彼女は何時に起きて出てったんだろうか…
バンタンは考える。
ここからあの撮影場所…結構遠かったと思うが……車で行ったのだろうか…
それにしても……仕事好きなんだろうなあ……
昔の俺達も好きだったんだけど…
最近は辛くなるんだ…後ろが怖いんだ。
抜かれるのが…終わってしまうのが…
誰かが欠けるんじゃないか不安なんだ…
忘れてしまった感情がいつ戻るのか…いつあのステージという場所を楽しめるようになるのか……
けど…これはセジンに彼等は絶対に口にしない…
じゃないと…今どうしてここに立っているのか…分からなくなるから……
そう考え、それぞれの方を向き静かになった車
すると、セジンは助け舟を出すように
こう呟いた。
「何かあったら彼女に話して見ろよ…俺もあの時救われたけど彼女ならなんかお前らに与えてくれるよ……きっと……」