第23章 ばかみたい
信じられない。
自分の言葉で、行動で主人公名前の表情が
こんなにも変わっていくなんて。
それがこんなにも嬉しいなんて。
顔を抑える手を握った。
主人公名前は今にも泣きそうな
上目ずかいでこっちを見る。
「…ちょっと、それわざと?」
「…え!?」
ええ、そうですよね。
わざとじゃないのは
わかってます(笑)
「…いちいち可愛いっつってんの。」
「っ…!
せっ、先輩おかしいですよ!
か、可愛いとか言われたことない!
前はあんなに
可愛くないってたじゃないですか!」
「ばかだなあっ!
だから言ってるじゃないですか、
私はあまのじゃくだって。
可愛くないって可愛いっつってんのと
一緒ですよ。」
「わ、わかりにくい…!」
「…でもこれからは
あまのじゃくの必要なんてないですし
知らないですよ?
のぼせても。」
耳元でそう囁いてニヤッと笑い主人公名前に近づく。
「…や、だめ…!」
「…無理」
止まるわけない。
やっと
好きにできるんだから。
「み、みんな見てます…!」
主人公名前の言葉にハッとして
周りを見渡す。
「…う、うそぉ…」
周りにはニヤニヤした
同僚やらがギャラリーを
作っていた。
「せ、先輩のあほ!」
「…いやいやいやいや・・・
空気読めやぁーーーーっ!」