第19章 裏切りの味
衣墨
「やっべぇー!見つかっちまった💦」
衣墨さんは立ち止まるが、
私は相変わらず衣墨さんの腕の中。
すると…
遠くの方から何かを引きずって歩いてくる白夜さんと、
その横に何故か着物が凄く汚れている雫くんと…
そのまた横には…
(拓巳くん…)
元の姿に戻った拓巳くんが並び歩いて来ている。
衣墨
「良いか?ちゃんと聞きな…」
佐藤
「……はい…」
衣墨
「俺は一度でもお前を手放した奴に、
返すつもりはサラサラないからな!!
ただし!!俺自身の命もまた非常に惜しい!!
アイツがマジ切れしているのを察したら…
悪いがまた機会を伺ってお前を取り戻すからな〜」
佐藤
「え?」
すると衣墨さんは、私をそっと下ろした。
衣墨
「………」
そして私の頭に頬ずりすると自然に白夜さんの方に向き直した。