第18章 マーブル味
白夜
「雫、頼むぞ…」
そう雫くんに言うと白夜さんは、
俺を責めずに姿を消した。
雫
「拓巳くん!君も行くよ!」
(え…俺が…佐藤の亡骸の回収を……?
そんなの無理だ…どんな顔して……)
俺はその場に膝から崩れた
雫
「…なにしてるのさ!!!立て!立つんだ!!」
拓巳
「……無理…です……」
雫
「………ッ……。
キミが殺されたのは佐藤さんのせいなんかじゃなくて、
自分なら大丈夫だと高を括って神社から出てしまったせいじゃないか!
それをまるで全て佐藤さんが悪いと責めて………
それだけではまた足りず…キミはまた…」
拓巳
「……俺は…もう…佐藤に会う資格ないんですよ……」
雫
「……資格?…そんな事を言ったら
直ぐに飛び出して助けてあげられなかった僕も無い…
でも今はとにかく…佐藤さんの遺体の回収が最優先なんだ!
急がないと野蛮な妖怪に食われてしまう。
食われてしまったら再生は不可能……
拓巳くん…行こう!」
拓巳
「………でも俺は……」
(…やっぱり行けない……)
雫
「…僕も…佐藤さんの変わり果てた姿を見るのは辛いよ…
ついさっきまで…こんな僕に優しくしてくれていたからね…
でも間違いなく今一番辛いのは…
佐藤さんの旦那様である白夜様だよ!!」
雫くんは俺の肩を優しくポンポンと叩く。
辰巳
「……白夜さんは俺をなんで…責めなかったんですか……」
雫
「…それは……拓巳くんが身体を欲していた事を
重巡承知していたから…じゃないかな。
つまりそれは…拓巳くんの気持ちも理解できるからからこそ
責められなかった…そういう事かな…」
拓巳
「…………ッ!!」
"バンッ!"
俺は握りすぎて血が滲む拳を、
地面に打ち付けた。