第16章 あざみ味
2匹の姿が見えなくなると、
俺は玄関の扉を閉め、
佐藤さんがいる方に向き直った。
雫
「……裏に回れって…もしかして………」
佐藤
「はい、とりあえず拓巳くんの"小屋"なら良いかなって思いまして…
やっぱり"白夜さん"が居ないのに勝手に決めちゃうのは気が引けて…
犬小屋なら問題ないですよね(*´人`*)?」
雫
「…………」
(拓巳くん裏庭の犬小屋で暮らしてたのか……
いいのか…拓巳くん…)
俺はどう返事を返して良いか分からず頷いた。
(……それより…突然夫婦になったのに…
白夜様の嫁としての自覚が、
芽生えてるみたいだね…佐藤さん…)
佐藤
「良かったぁ〜
それじゃ雫くん!ご飯の続き食べませんか!?
わたし、もう…お腹ペコペコで💦
お汁…温め直してきますね!」
雫
「あっ…待って……」
佐藤
「?」
雫
「足…汚れたままだよ」
佐藤
「あっ!💦さっき素足のまま降りたから…」
雫
「…多分家の中も……」
でも何処か"おっちょこちょい"で…
白夜様の嫁には"少し危うい"気もしなくもない。
佐藤
「あー( ;´Д`)💦私ってば……」
雫
「足…洗っておいで……僕が掃除しておくから…」
佐藤
「ほんとですか(*´人`*)ありがとうございます!」
でも僕は思う。
そんな"危うさ"が危険なほどに可愛いく見える佐藤さんは、
白夜様には"愛おしく見えてしまう"のだと…