第16章 あざみ味
私は再び雨に打たれながら、
放心状態の末吉くんの前にしゃがむ。
佐藤
「…柴ちゃん、こんなに濡れて寒いでしょ…」
末吉
「さ、寒いってもんじゃねぇーよ!!!
こちとら失敗したら殺されちまうんだよ!馬鹿が!!」
佐藤
「(´⊙▱⊙`)馬鹿…柴ちゃんお口……」
末吉
「…いっ…いっけねぇ!!!
ポク…お口………」
"ギュッ"
末吉
「!!」
私は身体も心も凍えている末吉くん(頭は芝犬、身体は拓巳くん)を、
ギュッと抱きしめた。
佐藤
「…失敗したら殺されるとか…どうしたの?
寒さからくる妄想かな………可哀想に……
うん、いいよ……
拓巳くんになんとかスペースを分けてくれないか頼んでみるから…」
末吉
「まっ…ま…まじかよ!!嬉しいワン!!!
嬉しいのか、奥方の身体が温かいのか柔らかいのか…
よく分かんない感情だけど!!
なんか下半身が喜んでるワン!!」
佐藤
「下半身?…よく分からないけど、
もう少しだけ此処で待っててね。拓巳くんに聞いてくるから…」
末吉
「ワンワン!!」