第15章 カルパス味
【末吉視点】
芝犬
「あんだと!?」
俺の目の前に、
番傘をさした男が立っていた。
芝犬
「アンタは!!」
その男は…
衣墨
「俺なら欲しい物は力づくで奪ってやる。」
末吉
「…ヘッ……へぇ…そりゃーすげー……」
悪名高い"ぬらりひょん"の衣墨だった。
俺は身体の震えを止められず耳を畳み、
愛嬌の良いまん丸黒目も半分閉じ、まるっきり怯えたダサい芝犬になっている。
末吉
「…で…ポクに何か用で……?」
衣墨
「俺がお前の願いを神の代わりに叶えてやる。
ただし……」
その鋭い眼球は"アイツら"がいる家を鋭く見やった。
末吉
「?」