第9章 バナナ味
【佐藤視点】
佐藤
「はぁはぁ…怖かった💦」
あの2人から命からがら逃げてきて、
ようやく火車が降りたった場所にたどり着く。
(えと…火車は………)
佐藤
「…あれ……」
おかしい…火車が無くなっている。
佐藤
「無い💦なんで!?」
(火車が無かったら、
もう収容所に戻れないのに(´;Д;`))
佐藤
「はっ(´⊙ω⊙`)!!もしかして…!!」
私は賑わい始めたこの場所で…
恐ろしい現実に気付いてしまった。
佐藤
「………」
私はモルモットとして選別された人達の事を思い出した。
どんなに苦しんでいても…
嘆いても叫んでも…
選別された役からは逃げれず死んだ方がマシと思うほどの、
酷い苦しみを感じながら生きている事を…
佐藤
「…そっか私も……」
自分の気持ちに関係なしに、
"必ず伴侶"をみつけなくてはいけない。
そしてもし見つけられなかった時は、
収容所に帰る事は許されず…
佐藤
「私は危険なこの世界で、野放しになる……」
さっーーと背中に冷たい物が流れる感じがする。
野放しになると言う事はつまり…
死に直結するからだ。
さっきの豆助ちゃんが良い例で、
私は常に命の危険にさらされている。
生死をかけたお見合いに、
さっきまでの"甘ちゃん"な考えは、
すっかり私の中から姿を消した。