第5章 ココア味
佐藤
「ここが……私の部屋……」
案内された部屋は思わず息をすることも、
唾さえ飲み込むことを忘れてしまうほど…
病人だらけの部屋で、
膿や嘔吐物の悪臭が広がっている。
(酷い…)
そしてよく見れば男性らしき姿はなく、
歳の頃は様々だけど女性ばかりのようだ。
ツバキ
「そうよ。ここが今日から佐藤ちゃんのおへ…」
"グチャ"
私に説明をする事に集中し過ぎたツバキさんは、
足元にグッタリ横になっている女性の嘔吐物を踏んでしまった。
ツバキ
「ギャァ!!!きっ……きったない!!不潔!!
このォ!!この!!!死に損ないアマ!!!!
死ね!!死ねっていってんだよ!!」
"ドスッ!バフッ!!"
腹を立てたツバキさんが、
その女性の腹部を汚れた足で
何度も…何度も蹴りあげ、
鈍く恐ろしい音が部屋に響き渡る…
佐藤
「!!」
女性
「ゔゔっ……んゔっ……ぶぇっ!!」
女性は痙攣しはじめるが、
なおもツバキさんは蹴りは止まらない。
(このままじゃ、この人が死んじゃう(;´д`))
佐藤
「つ、ツバキさん💦
や、やめてください!!死んじゃう💦死んじゃいますよ!」
私はツバキさんの、
上着の裾を掴んだ。