第41章 絢爛
赤葦「ここに…いたんですね」
泣いたのだろうか
頬に涙の跡がある
疲れて眠ってしまったんだろう
眠るの頬を優しく撫でれば手を体に回して持ち上げお姫様だっこをする状態になる
「ん…」
体が揺れて少し気付いたのだろうか、スースーッと寝息を立てていたの眉がピクリと動く
「お母…さん…」
寝言だろうか
そう言ってまた涙を流すあなた
俺はどうすればいい?
どうすればあのキラキラとした
笑顔をみせてくれるのだろうか
赤葦「俺はあなたの母親じゃないですよ…まぁ、"母親みたい"とはよく言われますけどね…」
「んっ…だ…れ?」
その言葉に目が覚めたのかは目をうっすら開けて顔を見上げる
赤葦「起きましたか?」
「……赤葦さん!?」
赤葦「全く、木兎さんといい あなたといい、世話がやける人が多いですね俺の周りには」
案の定、はその場から降りようとするが、足を怪我をしているため近くのベンチに下ろす
その後、なぜここにいるのか、なぜ木兎さんとはぐれたのか、なぜ泣いていたのか、は過去のことと照らし合わせながら話してくれた
「————それで、花火を見ていた時にちょうど小さい女の子とその両親が歩いてくるのが見えて……昔の自分に重ねてしまって」
赤葦「それで辛くなって走ってココまで逃げてきた…と言うわけですか」
俺の答えにコクリと頷く
「走馬灯のように、あの時の事を一気に思い出して……私が両親を殺——」
赤葦「あなたの両親はそんな事きっと思ってもいないですよ」
俺の言葉に目を見開いて驚いたようたような顔をする
赤葦「自分の子供は無条件に可愛いんじゃないですかね…そんな自分の子供の危機を守るのは親だと、例えどんな理由でも自分が身代わりになって死ぬのは本望だって……昔、あなたと同じように母を亡くした俺の母親の母、俺からすると祖母ですね、その祖母が亡くなる前に俺の母親に言った言葉だそうです」