第7章 看破
第2体育館
「よし、誰もいないよね・・・・」
今日は教室掃除の当番ではなかったから体育館に一番乗りをする、周りに誰もいないことを確認すればボールを手にしてコートのエンドラインよりももっと後ろに立つ
バンバンバンッ––––––
手に慣らすためにボールを叩きながら地面に打ち付ければ目を閉じて集中する
「ふぅ・・・・・・」
ヒュンッ
キュッキュッ
バンッ!!!
慣れた様にボールを上げ助走をつけ勢いよく飛べばジャンプサーブをするとボールは綺麗にエンドラインとコーナーラインのギリギリ左端を狙うが惜しくもアウト 小柄ながらもスパイクの様な勢いのサーブだ
「・・・・・まだまだ」
ヒュンッ
キュッキュッ
バンッ
次は綺麗にエンドラインとサイドラインの角に落ちる
ガタン––
ボールが落ちたと共に体育館倉庫の方から音がした、ふと視線を向けるとそこには
影山「・・・・・」
「か、影山?いつから居たの?!」
そこにはボールを片手に持ってこちらを見つめている影山がいた
影山「・・・・お前が来る少し前、この倉庫でボール磨いてた」
そう言うと、影山はズカズカと私の方によって来て私の顔をジロりと見つめて来た
「な・・・なんだよ・・・や、ヤルかぁ?!」
影山が睨む様にみて来たので私も手を前に出しボクシングポーズで身構える
影山「お前–––––
–––––元世界ユース女子日本代表であり、エースだった大鷲だろ」
「はあっ?!」(な、なんでバレたの?!私なんかした––––はっ、もしかして・・・・)
影山「さっきのジャンプサーブ・・・あの独特のフォームと言い、小柄ながらスパイクの様なサーブ、そしてエンドラインとサイドラインの角ギリギリに落とす、俺が中学の時よく世界ユース大会で見てたやつと全く同じだ」