第29章 進化
外の水飲み場で無言で水を浴びる影山
「飛雄?そろそろ行かなきゃ…」
日向「ミーティング始まる」
日向は影山に小さくつぶやき少し間があったけど、水をとめ顔を上がる影山
日向「悪かった。最後、完全に読まれた」
日向に謝る、その言葉に日向は
日向「謝ってんじゃねぇよ!」
影山に掴みかかり、芝に倒す
「ちょ、ちょっと翔陽?!」
私は影山に掴みかかった日向を慌てて止めようとするも聞かず
日向「俺に!俺に上げたのが間違いだったみたいに言うな!」
「ミーティング、始まってしまいますよ」
と、現れたのは――
武田「今日も素晴らしい活躍でしたよ、二人とも」
日向「でも…負けました」
小さく反論するように日向はつぶやく
武田「確かに負けました。でも実りある試合だったのでは?」
武田の言葉に何も反応をしめさない2人に続けて、武田は言う
武田「負けは弱さの証明ですか?」
ぴくりと二人は反応する
武田「君たちにとって、負けは試練じゃないんですか?」
武田「地に這いつくばった後、また立って歩けるのかという。君たちがそこに這いつくばったままならば、それこそが弱さの証明です」
武田の言葉を受けて、影山と日向は立ち上がりみんなの元へ戻り始める2人
「弱さの……証明……(今の私じゃ2人にそんなこと言えない…ありがとう武田先生…)」
少し遅れた私も2人の後を追いかける
——————校門前
鵜飼「よぉぉし!!飯行くぞ!もちろんおごりだ」
鵜飼の言葉に烏野の皆が不思議そうにする
澤村「めしですか?…いや…」
鵜飼「いいから食うんだよ」
鵜飼に連れられて、とある小さな古民家な食堂に入る
鵜飼「おばちゃん、悪い。開店前に」
おばちゃん店員「なんのぉ。こんなの前は、しょっちゅうだったじゃないの」
お店の一番奥の席、日向達はテーブルの奥の方に座り三年生達は鵜飼の近くに座る