第3章 同級生編
「ぜ、全然大丈夫だよ? ホラ、私丈夫だから・・・ひゃっ!」
暖かい息が手にかかった。
その瞬間、火がついたように身体が熱くなる。
そんな私なんて気にもせず、息を吹きかけ続ける楠木君。
こそばゆいような、何とも言えない感覚が体中を駆け巡る。
「や、ちょっ・・・っ!」
変な声を出す私を不思議に思ったのか、彼は動きを止め、ぱっと手を離した。
行き場の無くした私の手はぶらんと下にうなだれる。
楠木君は「暖まったみたいだね」と言い、にっこりと笑う。
そ、そうか、私の手を暖めようとしてくれてたのか。