第1章 魅惑のルビー【S×O】
「智くん…」
気づいたらホロ酔いのトロンとした目で
翔くんがジッと俺のことを見てて。
「な、なに…」
「アジもイナダも旨い」
「そか……よ、よかったわ…」
「でも黒鯛はマズイ」
「んん~~?…なんで、かな~~」
「シゲが釣ったから」
「…う…」
ズバリ…きた。
機嫌直った感じで
楽しそうに飲んでたのに…
「智くん…」
「な、なんだよ…」
「吐いちゃいな」
「えぇっ…なんでっ?…もったいな…」
「吐けよっ…うらっ…吐けぇっ!」
リビングのローテーブルで
飲み食いしていた俺ら…
隣りにいた翔くんが
ヘッドロックみたいなのをかけてきて
「シゲと何やってきたんだよっ…
おらっ…吐いちまえ…っ」
あんだよっ…そっちの『吐け』かよ…ww
「ななな何にもないよっ」
「ホントかぁっ?」
「いやっ、その…
翔くんが怒っちゃうほどのことは…」
「何もないんだな…っ?」
「う、うん………たぶ、ん……」
腕を緩めた翔くんが
また俺のことをジッと見る。
「じゃあ、証明して…」
今度はウルルンの乙女になってる…
くすっ♪…酔っ払ってんのか?
「シゲとは何もなかった…ってこと
キスで証明…して?」
そう言いながら目を閉じて
ムニューと唇を突き出してくる。
か、か、可愛いっ(//∇//)♥
なんだよ、もぉ…
このプンスカふにゃり…の使い分けは!
「…ん…ほら…」
肩を抱き寄せてやって…顎クイ。
酔っ払ってるかもしれないけど
こっちも仕掛けてみるか…
「…んぅ…」
唇を合わせると
翔くんから漏れる小さな吐息。
あぁ…たまんね…
「わかってんだろ…?」
「…ん、ふ…」
「俺には翔くんだけだってこと…」
「…ふ、ぁ…」
囁いては口づけ
口づけては囁く。
「シゲ?…え?…誰ですか、それ…」
「ん、んぅ…」
「俺には翔くんしかいない」
「…ぁ…んふ…」
「仕事で誰と何しても…」
「…んんっ…は、ふぁ…」
「俺には…翔くんだけ…」
唇を離して翔くんを見つめると
すっかり蕩けた表情で俺を見上げてて。
想い…伝わったかな(*´`)
本当に…翔くんだけだよ?
愛しているのは
翔くんだけ…♥