第5章 報告と・・・
数日後、佐助は謙信に呼び出されていた。
謙信「佐助・・・あの不届き者の
正体少しは分かったのか?」
佐助「不届き者・・・?」
謙信「俺の部屋に侵入した女のことだ」
佐助「ええ・・・まあ」
謙信「教えろ。あの女は何者だ?」
佐助「教えられません」
謙信「なぜだ?」
佐助「謙信様があの子を殺すかもしれないからです」
佐助の言葉に、謙信は不愉快そうな顔をする。
謙信「敵に情でもわいたか・・・?
数日でお前を凋落させるとは恐ろしい女だ」
佐助「それは違います。
たしかに俺と同じ国から来た子という意味では、
親近感はありますが・・・」
厳密にいうと違うのだが・・・
葵と謙信のために正直に話すのを、
佐助は避け、あくまで同郷の人間とすることにした。