ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第10章 出発の夏
先生の言葉に出されてそのままだったお茶を一気に飲み干す
「…………よし………」
不安で仕方がない
震える手足
彼に会えずに死ぬかもしれない
家族にもう二度と会えないかもしれない
静かな部屋にキラキラと輝くゲートが現れて
私は唾を飲み込んだ
彼と私を隔てた光
あの日私はこの光に向かって消え行く彼に懸命に手を伸ばした
決して届かない光の中に悲しい別れの言葉
今度は私が行くのだ
不安に震える足で一歩を踏み出す
私を包む光とは裏腹に真っ暗な先
右も左も解らない未知の世界
私は彼に会いに行く
「…………大丈夫………大丈夫………」
自分に言い聞かせて進む先
知らない香りの風が頬を撫でた