第1章 Rapunzel【伯爵・★】
キスを交わす。
彼女のちいさな悲鳴が心地よく耳から入り、己の下半身に甘い疼きを送り込んできて。
ひとつ、ふたつ、みっつ………と寝間着の釦を外していくと。
鞠のように張った胸があらわになり、衝動のままに捏ね回した。
ふと、静かになった彼女を見下ろして そして愕然とした。
彼女は、声を押し殺して泣いていた。
慌てて胸から手を離し、彼女の頬を撫でる。
「泣かないでくれ。………君に泣かれると、どうしていいかわからなくなる」
「伯爵。………レオナルド様から、聞きました。
貴方が縁談を断り続けていると」
「では、ひと夜の慰めとしてこのような事を?
貴方にこうされて、私はどうすればいいのですか?」
あぁ、なんて可愛いことを言うんだろう。
再び彼女とキスを交わす。
「んんっ………伯爵っ。
お戯れはお辞めくださいませ………っ」
「戯れなんかじゃない」
キスを止めた俺は、彼女の頬を撫でた。
「縁談を断っていたのは、君に求婚するためだ。
………美しくて気高い君を、愛している」
「…………っ」
溢れた雫を舌先で拭う。
「嬉しい………。」
ぎゅ、と抱きつかれる。その耳元で、囁いた。
「なら俺のものになるんだから、何も問題ないよね」
やめて、はもう聞かないよ。
………早く君自身を捧げてくれないか。
優しく愛してあげるから。