第2章 その女中、出会い
僕は思わず目を逸らして俯いた
『あの…』
上から遠慮がちな声が聞こえた
僕は思い切って顔を上げた
シ「はい」
『あ、いえ特にたいした用事ではないのですが…』
彼女は周りを気にしているようだった
シ「なんでしょう?」
『さっきからずっとこちらを見ていたので何かあるのかと…』
?「おいっ!」
彼女はいいかけて誰かの「おいっ!」という言葉にビックリして固まっていた
しかし、彼女の様子がおかしかった
驚いただけにしては怯え方が尋常ではなかった
シ「どうかしましたか?」
『い、いえ……』
彼女はそれっきり何も話さなかった
?「おいっ!ティナ!何をしている!動くなと言っただろう」
さっきの男の声が近づいてきた
彼女はあの声に怯えているようだった