第3章 その女中、絶望
夫人「お願いよ。あなたにしか頼めないの。きっとあの人も喜ぶわ」
その言葉を聞いた途端
反論しようとしていたあの娘の口が閉じた
少し悩んでいるようだわ
あの娘に選択権なんてないのに
『………は…、い』
最後は聞こえないくらいの小さな声で返事をした
……やったわ
私はあの娘をそっと抱きしめた
夫人「ありがとう。本当にありがとう」
私は泣きながら言った
あぁ
嬉しすぎて涙が止まらないわ
あの娘は少し困惑していたようだけどそんなの知らないわ
やっと
やっとよ
アノムスメガイナクナル
あぁ
今日は人生で最高の日だわ