第3章 花魁
コンコン
?「莉奈」
よく聞いた声
男の人の特徴的な低さの声
優しく響く声
その声は莉奈を安心させた
『入ってどうぞ』
莉奈の返事と共にドアが開く
?「やぁ、久しぶりだね」
『うん』
男の名は
『亮兄さん』
亮「ビックリしたよ、久々に家に戻ったら莉奈がいなくてさ…母さん達に聞いたら吉原に売ったんだって聞いて今までにない怒りが出てきたよ」
亮は莉奈の背中を優しく撫でる
莉奈は真っ直ぐな目で亮の目を見つめる
『ゴメンなさい、こんな吉原で働いているものが妹で…』
亮「莉奈は全然おかしくないよ、寧ろ綺麗だよ、さすが俺の可愛い妹って感じ」
『ぷぷ…アハハ!』
莉奈は堪えるのが無理になり耐えきれず笑ってしまう。それにつられて亮も笑う
『亮兄さんって前と変わらないね』
亮「ん、何がだ?」
『シスコン』
亮「うるさーーーい!!」
亮は慌てて莉奈の口を抑える
少したって口から手を離すと紅色の唇が亮の手についていた
亮「莉奈も化粧したらめちゃくちゃ綺麗になるな」
『そうかなぁ?』
莉奈は適当に返事をすると煙管を吸い始めた。
亮もそれを見てふところから煙管を出し吸い始める。
『亮兄さんってなんの仕事してるの?』
亮「俺は、絵かきさんだよ」
『本当に!?素敵〜』
莉奈は吉原に来て一番楽しい時間を過ごしましたとさ