第1章 仔猫になりました
「やあ、華澄葉月さん」
ある日の夕方スーパーからの帰り道
後ろから男に声を掛けられた
『え?』
「何が好きだい?」
『なに言ってるの?あなた誰?
その制服....』
「葉月のことなら何でも知ってるよ
俺の運命の相手」
『きゃ!』
ボンッと煙が上がった
『フシャー!』
煙が晴れ前にいる男を見上げる
ん?見上げる?
『ニャッ!?』
口から出るのは猫の声
自分に何が起きたのか分からずキョロキョロ辺りを見回す
「君は今から猫だよ」
『(猫!?)』
「これは俺の個性だよ
普通は2.3時間で戻るんだが
葉月のは俺の呪い付き
戻る条件は......」
男の話が終わる前にダダダッと走り出した
男から離れようと力の限り走った
暫く走りゼェゼェと荒い息を吐き
力尽いてそこで意識が途切れた