第18章 全てを乗り越えて (光秀×舞) R18 リクエスト作品
.
「舞、答えろ。お前は誰のものだ?」
(私が欲しいのは、光秀さんだけです。だけど……)
本当の想いは胸にしまい、舞は静かに深呼吸をして光秀の瞳をじっと見つめる
「私は…私のものです。誰のものでも、ありません」
「……………それが、お前の答えか?」
「…っ、そうです。だから、私の事はもう……っん…っ!」
言葉を言い終えるより先に重ねられた唇
わずかな隙間から侵入してきた舌が、その先の言葉を奪うように激しく絡み、攻め立ててくる
「んっ…ふ…ぁ……っ……ん……っ」
呼吸も出来ないほどの激しい口付けに、光秀の想いが込められているようで…胸が張り裂けそうだった
(私は…こんなにも光秀さんを愛している。光秀さんが私以外の誰かと一緒に生きる未来なんて、受け入れられないくらいに…)
光秀が隣に立つ女性に笑いかける姿を想像しただけで、苦しくて切なくて、涙がポロポロと溢れ出す
濡れた頬を包み込んだ掌によって唇が解放された時には、舞の決意は風になびく燭台の灯りのように、ゆらゆらと揺らいでいた
「言っておくが…お前の心配は杞憂だ。無駄な事で小さな頭を悩ませるな」
「なっ…、そんな言い方……っ」
「俺は…弱みを作るつもりは無いと…そう、思っていた。お前に出会うまでは……」
真っ直ぐで淀みのない瞳に囚われ、目が逸らせなくなる
じっと見つめていると、光秀はくすりと笑みを浮かべた
「もう一度聞く。お前は、誰のものだ?」
優しく頬に触れながら、けれど強い口調で問われれば、もう否定する余裕なんてなくて、再び涙が溢れ出した
.