第12章 貴方という存在 (信長×舞) R18 アンケ2位祝SS
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「信長様、この方とはちょっとお話をしていただけで、何でもないんです。現に、名前も存じ上げないんですから」
「……………貴様、本当だろうな?」
「はっ、この命に誓って偽りでは御座いません」
「ならば、即刻この場から去れ。俺の気が変わらんうちにな」
「っ、ははっ!御前を失礼致します…っ」
男が去った後も、信長はずっと舞の体を抱きしめていた
「信長様…広間に戻らないと、皆さんが待たれてますよ」
信長様の事だから、きっと勝手に出て来たのだろう
今頃、秀吉さんあたりがあたふたしてる筈だ
「つまらん口上は聞き飽きた。それより…貴様は傍に置いていないと、すぐどこかへ行こうとするのが気に食わん。貴様には、ずっと俺の傍にいろと言った筈だ」
「それは……。ちょっと色々考えてしまって……」
「色々とは何だ。それではわからん」
「だからそのっ、私なんかで本当にいいのかなって不安に思っていたんです…っ」
舞の言葉を聞いた瞬間、信長は大きな溜息をついた
「俺は貴様でなければいらん。それでもまだわからんと言うなら…わかるまで教えてやる」
「っ、信長様…っ。」
熱を帯びた瞳で見つめられ、自然と身体が熱くなっていく
初めて身体を繋げたあの日。
何があっても貴方の傍にいる。
そう誓った事を思い出し、舞は信長の体をギュッと抱きしめた
「ごめんなさい…。もう言いません。だから…一緒に広間に戻りましょう!」
乗り越えなきゃいけない試練はまだまだ沢山あるかもしれないけれど、きっと貴方と一緒なら大丈夫
舞はフワリと微笑むと、信長の手を引っ張って歩き始めた
「ふん。宴が終わるまでは我慢してやる。だが、その後は覚悟しておけ」
「の、信長様…っ!!」
顔を真っ赤にしながら見つめると、意地悪な笑みを浮かべ見つめ返してくる信長に、声が枯れるまで啼かされ続けるのはこれから数時間後の出来事。
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