第2章 敵わない
なんでかなぁ。
なんで追いつけるとか思ったんだろうなぁ。
あの人には才能がある。
私なんかには無いような強い意志がある。
私なんかにはできないような努力をしてる。
こんな甘々ちゃん、相手になるわけないのに。
羨ましいと、私もなりたいと、なんでこんなにも思ってしまうんだろう。
私はあんなこと浮かばない。
私はあんなことできない。
比べれば比べるほど自分が小さく見えて、情けなくて、なんで比べてるんだろうと思い始める。
手が届くわけないのに。
あの人は遠いところにいるのに。
なんで私にはあの人のようなことができないんだろう。
羨ましい。
羨ましい。
羨ましい。
追いつきたい。
追いつけない…。
元々、同じところにいないんだ。きっと。