第6章 想い出。
君は、元気かな。
何してるのかな。
もう、そんな些細なことすら聞けなくなってしまったね。
最後に君としたキスはしょっぱくて。
なんで君が泣いているのかわからなかった。
君から…。言ったくせに。
涙の味を初めて知った。
それと同時に、こんなにも好きだったのだと自覚した。
ねぇ。どこを見ても。
どこを見ても君がいるんだ。
あのスーパーも、あの道も。
僕の家の中でも。
至るところに、笑顔の君がいるんだ。
君は僕の部屋に居すぎたんだよ。
忘れたいのに、君の笑顔が離してくれない。
嫌いになってしまえればいいのに。
いっそ、大嫌いになれたら。
ねぇ、僕まだ。
君が好きだよ。