第37章 なかぬなら・・・（信長ED）

？？「待て」
あたりに響く低い男の声に、
忍も目の前の男も驚いた。

？？「そいつに手を出すとは、
　　　いい度胸だな」
忍「のぶ・・・なが・・・様・・・？」
現れたその男は、
安土で一番えらい、
城主である織田信長だった。

男の顔は一瞬で熱にうかされた赤から、
血の気を失ったかのように青色にかわる。
その身体はさきほどまでの忍のように、
否それ以上に恐怖で震え始める。
男「な・・・の・・・信長様・・・これは・・・」
信長「言い訳など聞かぬ。
　　　貴様俺の物に手を出すなど、
　　　いい度胸をしている」
信長はそういうと刀で、
男を容赦なく斬り捨てていた。

そのまま男には見向きもせず、
忍の方に声をかける。
信長「大丈夫か？忍」
忍「はい・・・ありがとうございます」
忍は信長に笑顔で答えた。
熱と安堵感からか、
ふらつきそうになるそうになる身体を、
必死に立たせながら、
信長にそれを悟らせぬように、
忍は信長に懸命に笑顔をむける。