第29章 女城主の決断(政宗編)
家臣「伊達政宗殿が忍様に会いたいと、
文をよこしてきましたが・・・」
忍「政宗殿が・・・?」
家臣「どうされますか?」
忍「・・・せっかくだ。
安土の竜の方につくか、否か、
見極めるためにも会うよ。
政宗殿にもそのように返事を書く」
家臣「御意」
忍は家臣にそう告げると、
家臣も静かに頭を下げる。
対する奥州ではというと、
政宗「やっとか・・・この日が来るのを待ってた」
政宗は一人にやりと笑っていた。
政宗「悪いな。こっちに来てもらうことになっちまって」
忍「いえ。挨拶にはいずれ、
伺うつもりだったので・・・」
政宗「そうかよ。まあお前からしたら俺か謙信か、
どっちにつくべきか見極めたいだろうしな」
忍「!!」
政宗「当たりだな」
忍「怒ってますか・・・?」
政宗「怒ってるように見えるのか?」
忍「はい・・・」
政宗「まあ怒ってるように、
見えるとすれば別の理由だがな。
単刀直入にいう。俺の方につけ」
忍「同盟を結んでいただける、
ということですか・・・?」
政宗「やっぱり忘れてやがるな。忍」
政宗はため息をついた。
忍「忘れ・・・?」
忍は必死に考え込む。