第21章 扇月の夜(今川義元)
謙信がその名前を呼ぶと、襖の向こうから、
一人の少女が現れる。
義元「あれ?君・・・」
忍「・・・っ」
謙信「知り合いか?ちょうどいい。
おい忍」
忍「は・・・はい」
謙信が忍の名を呼ぶと、
彼女は肩をびくつかせた。
謙信「お前の初物をこの男に捧げてこい」
忍「・・・・・・っ」
義元「謙信。露骨すぎない?
経験ない女の子相手に」
謙信「うるさい・・・
とにかくこれは命令だ。よいな?」
義元「どうやら謙信の虫の居所が、
今日はよくないみたいだね。
いつまでもここにいて、
切られたらかなわないや・・・
君ついておいで」
義元は忍の手をとると、
謙信の部屋を後にした。