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イケメン戦国短編集

第17章 鬼虎演舞(顕如&武田信玄)


しばらくして、
男たちはそれぞれ着物をなおし、
欲まみれになった忍の身体を、
水にぬらしたてぬぐいで清め、
彼女自身の着物をなおしていた。
忍はなお気を失ったように眠っているままである。
男二人はそんな忍を見つめながら、盃を傾けていた。
信玄「鬼の姫は恐ろしいな」
顕如「何が言いたい?」
信玄「虎と鬼をあっという間に食らう、
   恐ろしい姫君だと思ってな」
顕如「お前天女とやらはどうした?」
信玄「別にお前からこの姫をとるつもりはないさ。
   だが、鬼と虎を容赦なく食らう姫だ・・・
   そのうち龍も食われるかもとそう思っただけだ」
顕如「ほざけ、虎にも龍にもこいつはやらん」
信玄「こわいねぇ・・・次の機会があれば、
   もう一つの穴の味見も、
   させてもらいたかったんだが・・・」
顕如「そんな日は二度と来ん。
   茶番は今回だけだ」
信玄はすぐに察した、
自分の入る場所がすでにないことを・・・
信玄「顕如」
顕如「なんだ?」
信玄「信長から姫を生きたままさらったときに、
   祝言をあげるというならぜひ呼んでくれ。
   かつての友を祝うくらいなら許してくれるだろ?」
信玄の真剣なまなざしに、
顕如は虚を突かれたような顔をする。
顕如「・・・そんな日がきたら考えよう」
その日男二人はそんな日に思いをはせながら、
忍が目を覚ますまでの間、
昔話と酒にひたるのだった。


おしまい
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