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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第19章 【お節介焼きのハーマイオニー】


「ミス・グレンジャー、これらが例の品ですね?」

 ハーマイオニーはクリス達から目を逸らし小さく頷いた。マクゴナガル先生はハリーの持つファイアボルトをじっくりと見つめ、それからクリスの方に振り返った。

「たった今、ミス・グレンジャーが教えてくれました。あなた方に匿名の贈り物があったと」
「その通りですけど……それが何か?」
「それでは、ミス・グレンジャーの嘘では無いようですね。分かりました。ポッター、グレイン、あなた方に送られてきた荷物を預からせてもらいます」
「なっ……何でですか!?」
「これらには、呪いが掛けられている可能性があります。分解して詳しく調べてみないと分かりませんが――」
「「分解っ!?」」

 ハリーとクリスの声が揃った。マクゴナガル先生がいったい何を言っているのか、理解するまで数秒を要した。分解――折角手にした、夢にまで見たものが分解されてしまう。そんな事あってはならないと2人は思った。

「勿論、私は専門外ですので、フリットウィック先生やフーチ先。それからマグル学のバーベッジ先生にお願いします。数週間だけ預からせて頂き、なんの呪いもかけられていないと分かれば直ぐお返しします」
「でも先生、この箒には何の変哲もありません!」
「そうです!それに機械が使えないホグワーツにラジオを送って来るなんて人は、きっとそれを知らないマグルだと思います」
「それは調べてみないと何も言えません。とにかくこの箒とラジオを預からせてもらいます」

 それだけを言い残すと、マクゴナガル先生はしっかりとファイアボルトとラジオを持って、ローブを翻して談話室を出ていってしまった。突然の事に呆然と立ち尽くすハリーとクリスに代わって、ロンがハーマイオニーに問い詰めた。

「いったいどういう神経しているんだよ!折角手に入れた個人の宝物を奪うなんて、そんな権利いつお前に与えられたんだ!?」

 それまでそっぽを向いていたハーマイオニーがくるりと振り返った。その顔は、怒った様な、それでいて泣き出しそうな顔だった。興奮したハーマイオニーは3人に向かってこう言い放った。

「『忍びの地図』を言いつけなかっただけあり難いと思って!『例のあの人』が学生時代、偽名を使っていたように、パッドフットはシリウス・ブラックが学生当時使っていた偽名なのよ!!」
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