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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第16章 【隠されていた真実】


「ほらな、ディメンターがわんさか集まるんだぜ?もしシリウス・ブラックが、ハニーデュークスに入り込んだ瞬間、魔法警察部隊とディメンターが駆けつけてとっ捕まえてくれるよ――それよりハリー、これ見たかい?このフィフィ・フィズビー……」

 ハリーの肩を掴んで、ロンは人ごみに消えていった。ハーマイオニーはそんなロンに向かって何か言いたそうな顔をしていたが、やがて諦めてクリスの方に振り返った。

「貴女は?貴女もロンと同じ意見なの?」
「まあ、しょっちゅうホグズミードに来るのは感心しないが……今日くらいは良いんじゃないか?クリスマスだし。それにいつも私達だけホグズミードに行くのも気が引けるだろう」
「まあ、それはそうかもしれないけど……」

 結局、ハーマイオニーも諦めて、ハリーや『忍びの地図』の事を先生達に言いつけるのを止めた。クリスとハーマイオニーはその後ちょっと2人だけでお菓子を見て、それからハーマイオニーは会計を済ませにカウンターへ向かった。
 クリスがロンとハリーを探していると、ドンッと誰かとぶつかった。

「あっ、ごめんなさ――」

 そこまで言いかけて、クリスは口をつぐんだ。何とぶつかった相手はドラコだった。ドラコは気まずそうな顔をしていたが、クリスの怒った顔を見て何か言いたそうにしていた。

「あの、クリス……あの時は――」
「――うるさい、お前に言う事は何もない」

 自分でも驚くほど冷たく言い放った。クリスは謝りかけた事すら後悔しながら、ツンと顔を背けるとハーマイオニーを追いかけてカウンターに向かった。すると丁度そこに会計をしに来たロンと鉢合わせになり、そのままハリーも連れてハニーデュークスを出た。
 外は猛吹雪で、薄いローブしか着てこなかったハリーとクリスは歯をガチガチ言わせながら歩いた。

「『三本の箒』まで行ってバタービールでも飲まない?2人とも凍死寸前だよ?」

 ロンの粋な提案で、4人は『三本の箒』まで行くことにした。店内はいつも通り色々な人でごった返し、賑やかで、暖かかった。カウンターの中には綺麗なうなじと曲線美の女性が立っており、ロンはその女性を呆けた顔でぼーっと見ていた。その足を、ハーマイオニーが踏んずけて現実に引き戻した。
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