第2章 黒の時代
自宅に着くとまだ18時。
中也は書類仕事もちゃんと熟すため
私と二人だと大抵のことは直ぐに処理が終わる。
その為最近は帰りが早い。
私は冷蔵庫に向かい中をみた。
昨日のうちに準備していた食材が並んでいた。
中也に伝えたことも、強ち間違いではない。
本当に今日は、葉琉のためにご馳走を作ろうと考えていたのだ。
私は手際良く食材の下拵えを始めた。
ーーー20時
ガチャリと玄関が開く音と
ただいまーーという葉琉の声。
葉琉が居間の扉を開けると
そこには葉琉の大好きなハンバーグ、シーザーサラダ
その他幾多ものご馳走が並んでいた。
「わぁぁぁああ!!美味しそう!!
これ全部葉月が作ったの!?」
まだ台所に立った私に葉琉は目をキラキラさせながら聞いてきた。
「当たり前でしょ!他に誰が作るの?」
私はクスクスと笑いながら答えた。
「流石私のお姉ちゃん!
立派な姉を持って妹は感激です!」
葉琉は泣き真似をしながら急いで部屋に戻り部屋着に着替えて椅子に座った。
私も片付けを終わらせて葉琉の向かい側に座った。
「「頂きます!」」
手を合わせて二人で食べ始めた。
これが二人で食べた最後の食事だった。