第14章 九尾
どのくらい経ったのかよく分からないけど、
私は洞穴の前で黒さんを待っている。
手持ち無沙汰な私は仕方なく赤月を眺める…
まるで私の代わりに泣いてくれているように血が滴っていた。
魅菜
「………」
"コツ……コッ……"
するとそんな私の元に…
ようやく黒さんが現れた。
黒
「………」
魅菜
「……あっ、黒さん(*´ω`*)ノ"…」
私は無理にテンションを上げ黒さんに手を振る。
でも黒さんは…
黒
「………」
無言のまま。
右手の拳から血が流していた。
魅菜
「ど、どうしたんですか💦血が出てますよ!💦」
私は駆け寄り、
黒さんの右手を持ち上げる。
魅菜
「!!」
黒さんの鋭い爪が手のひらに半分以上埋まっている。
魅菜
「黒さん!💦」
私は急いで黒さんの右手を開かせ、
私の着物の裾を引きちぎり黒さんの手のひらに巻きつけた。
(もしかして…黒さん自分を責めてる?)
九尾と額を合わせた時に黒さんの葛藤なども流れてきたから、
黒さんがこんな行動をとってしまったのだと解釈…
(それなら…)
黒さんが安心するまで、
私は明るく過ごす事を決めた。
魅菜
「黒さん!今夜は…鶏肉が食べたいです!!
蛇肉とかじゃなくて鶏肉ですよ(●´ω`●)ノ」
黒
「!?」
魅菜
「黒さん!ほらっ!家に帰りましょう!!」
私は黒さんに帰ろうと来た道を指差す。
黒
「…おぅ……」