第7章 冥土カフェへようこそ【トド松】
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あれから数日。
桜ちゃんを襲った鬼は、重い罰を受け、獄卒の職も追われたらしい。ボクも本当は罰を受けるはずだったが、桜ちゃんを助けたということで、特別にある地獄に行くことで赦してもらえることになった。
そのある地獄とは……
「はーい! では、今からトッティの中学時代の文集を読みまーす!」
鬼が見覚えのある文集を開く。
「わあーー! 待って! ちょっと待ってー!」
椅子に縛り付けられたボクは悲鳴を上げた。
「『花のように生きたい』松野トド松。花は美しい。花は綺麗だ。ボクも自分という花を咲かせたい、いつかきっと。太陽を浴びて咲く、それが花。でもボクは美しさで他の花と争おうとは思わない」
「あーやばいやばいやばいやばい……」
「だって別にナ○バーワンなんかにならなくていい。ボクはボク。オン○ーワンなんだから」
朗読を聞いていた死者たちから失笑が漏れる。
そう、ボクは罰として、精神的な苦痛を受ける文集地獄に堕とされていた。
「うう、最悪だよ……もういいでしょ……?」
鬼が次の文集を開く。
「はーい、では続いてトッティの高校時代の文集を読みまーす!」
「ええーーっ!?」
「あの日見たフラワーWhat's your name……」
こうして、ボクはまた今までと変わらない地獄の日々を送ることになった。でも、ボクはもう逃げない。兄さんたちと一緒に毎日ひたすら耐え抜くのみ。
え?
桜ちゃんとは、あれからどうなったのか?
それはね……
ボクと桜ちゃんだけのヒ・ミ・ツ♡
END