第2章 太宰治ノ場合
「今度は私を気持ちよくしてほしいな」
カチャカチャというベルトが外される金属音にすら聴覚を刺激される。
口元に差し出される彼自身を躊躇うこともなく口に含む。
両手が使えない分多少のやりづらさを感じるが、問題は無い。
「んっ、こっちも優等生だね・・・、すごく気持ちいいよ」
しかしその言葉とは裏腹に彼は乱暴に私の髪を掴むと一気に腰を打ち付ける。
喉の奥を犯される感覚と押し寄せる嘔吐感。
「んぐっ・・・!」
「っは・・・、苦しそうな顔もすごく、いいね」
先ほどよりも余裕のなさそうな彼の表情はそれだけで体が熱を持つほど官能的だ。
しばらく続けられたピストンの後に解放された時には、顔は涙と唾液でボロボロだった。
そんな私に太宰くんは口付けながら指を下肢へ這わせる。
「太宰く、ん・・・!」
「そんなに物欲しそうな顔をされたら、たまらないな」
お望み通り、とでも言うように太宰くんの長い指が挿入され、大丈夫だとわかるとすぐに2本目も挿入される。
しばらく探るように動いていた指だが、とある一点を探り当てると私の体はビクリと跳ね上がる。
太宰くんはにやりと笑うと執拗にそこを責め立てる。