第1章 風花
「雅紀?痛いの??」
焦った俺に、雅紀は何度も首を振って、
「違う…ちがうよ…」
首を振って泣き続ける相葉くんに、どうしていいか分からなくて、
俺は彼の背中に手を入れ、その痩身を抱き締めた。
「雅紀…泣くなよ…お願いだから…泣かないで」
「翔ちゃん…俺…俺……嬉しいんだよ」
「雅紀…」
ゆっくり身体を離しその顔を覗き込むと、キラキラと涙で潤んだ目でじっと俺を見つめて、
「俺…翔ちゃんのことが好きだった…でも、翔ちゃんも俺も男だから…絶対無理だし…叶わないから…忘れなきゃって…それが…それなのに…」
一所懸命に伝えてくれる彼に、不覚にも俺も泣きそうになる。
なんだろう…この気持ち…
彼を守りたい…大切にしたい…
「雅紀…ありがとね…俺…」
「翔ちゃん、動いていいよ…」
「へっ?」
「だって、このままじゃ、終んないでしょ?いいよ…」
あ…そうだ…
中に入ったまま…と言ってもこんなきつくちゃ、すぐ終わりそうだけど…
「じゃ、いい、かな?…」
俺はゆっくり抽挿を始めた。
俺のを咥え込んだソコは、締めあげながら絡みついて来て…
自然と腰を送るスピードが上がっていく。
その先の快楽を、身体が勝手に求めてしまう…
「…ん、ん、んっ…雅紀…もう俺…」
「いいよ…翔ちゃん…イッて…」
「…あっ、あっ…イク、イクッ///」
……相葉くんの中で…まあ、ゴムは着けているけど…
あっという間だった…
…早すぎて…同じ男として、何か…恥ずかしい…
イク瞬間、彼の身体を抱き締めた俺は、顔を見ることが出来なくて…
そしたら、相葉くんは、
「翔ちゃん、俺、幸せだよ…」
そう言ってくれた。
心の中が、じんわりと温かくなった。