第3章 総悟にバレちゃった 土方十四郎
「はい、頼まれてた書類済ませておきましたよ。」
「おお、サンキューな。」
隊士達には秘密で付き合っている土方と女。土方はこの女が仕事を終わらせるのが早いのでよく月末に未提出の書類を頼む。屯所ではいつ沖田が来てもおかしくない為極力そういう雰囲気にはならぬように互いに距離を置いていたのだが
「すまねえ総悟にバレちまった。」
「ふーん、そっか〜。わかったよ。」
「え?お、怒んねーのか?」
「え?なんで怒んのさ?」
マジかコイツ。だったら今まで俺が必死こいて隠してきたのに。っつーか、だってそうだったんじゃねーのか?
土方が恐る恐る沖田に関係がバレてしまったことを述べると女はなんでもないかのように振る舞う。怒られると思っていたので少し拍子抜けしてしまった土方。
「だってさあの総悟よ?あんたに嫌がらせするのが生き甲斐みたいな子が気がつかないワケ無いじゃない。」
「お、おう。そりゃーそうかも知らんがだから怒んないのか?」
さっきアイツにメール勝手に見られててバレたんだが…本気で怒って無いんならこれ俺の取り越し苦労じゃね?
普段からでは考えられないのだが、土方は腹を括っていたので開いた口が閉まらず
「何そんなことでそんな阿保面してんの。みっともない。」
ピシャリと言い放たれてしまい、さらに
「大方総悟にメールなりなんなりみられたんでしょ?いつかはバレるって思ってたし別に構わないわ。」
と言われてしまい土方は何も言えなくなってしまった。
そんなこと言いながら女は土方に近づいて来た。そしておもむろに土方の頬に手を伸ばした。