第1章 1
「昨日教えたのに、何故書けてないのですか?」
「す、すみません……」
放課後、七十点以下だった者は結構いて、は一人一人面談をしていた。
待ち時間、面談後は、鬼道実習室で間違えた詠唱を調べながら10回書くという課題をさせられ、生徒達は涙目だ。
現在はルキアが説教されている。
「僅かの僅は菫によく似ているけど違いますからね、次は気をつけてください。」
蒼火墜の詠唱部分に赤く線を引かれ、横に正しい字を書かれる。確かに菫ではないと溜息を吐く。
すると見知った霊圧がこちらに近づいてくる事に気がついた。
「おや、この霊圧は……」
「ルキアー!おめー補修だってな!!」
ガラリと扉が開けられると同時に見慣れた赤髪が見え、ルキアは目を細めた。
「なんだ、悪いか恋次!」
「べっつにー、今頃泣いてんじゃねーかってその顔を拝みにきてやったんだぜ、感謝しろ。」
「貴様……っ!」
「ルキア!恋次くん!」
名前を呼ばれ二人でびくりと肩を震わせる。
恐々と呼ばれた方へと顔を向けると、彼女は氷の微笑を浮かべていた。