第6章 不器用な酔ったフリ/twc
「とわこさーん、ちゅーしましょー?」
t「は?」
「ちゅー」
t「はー。酔っ払いめんどくさいわー」
「えーなんでですかー?」
普段は物静かで自分からグイグイ行くタイプではない。
しかし、酒が入るとこの有様。執拗にとわこにキスを求める。
だから、あまり飲みの席には参加しないようにしてるのだが、押しに弱い所もあるはとわこの実況者仲間に押し切られ今に至る。
「えぇ…ちゃんってこんな子だっけ…?」
「ギャップww」
t「はあー。だから駄目だって言うたやないですか…」
「いやぁ…あんなにとわぽんが必死になってちゃんは連れて行かないって言うから逆に気になるって…w」
t「なんでです?この後始末、私がせなあかんのですよ?はあー…」
「後始末って…w彼女でしょ?ww」
とわこより年上だが、おしとやかでどこか幼さが残るの時折見せる信念の強さに惹かれ、何度か好意を伝えても“私には勿体無い”と断られ続け半年。
諦めずにアタックを続けやっとの思いで恋人同士になれた。
…と言うのに、酒が入ると面倒な事になる。
自分に対してキスを求める分にはいいが、他人にまで絡みだしたら…と考えると気が気ではない。
「えー、ここでしちゃえばー?」
t「…は?」
とわこの威圧的な表情とより低くなった声色に悪ふざけしていた他実況者達も、それ以上は黙ってしまった。