第13章 *番外編 Trick yet Treat!*
「もう止めてやらねぇ……」
「止めるつもり無かったくせに」
ここに来て何故か強気になり始めるユイに笑みが零れる。
「ハロウィンってイタズラする日なんだろ?」
「お菓子くれないと、イタズラする日だよ」
「ならお菓子はお前だ。くれないならイタズラする」
どっちにしろユイにイタズラをする事になる矛盾を分かっていながら言葉を並べる。
ユイの両足を自分の肩に乗せて思いっきり奥を突くと、ユイが俺を強く締め付けた。
「あああんっ!やぁぁっ……!」
律動の最中、ユイの手を拘束していたネクタイを外すと自由になった手は俺の首元へと回される。
「く…っ!」
「焦凍……っ!」
「ユイ……出すぞ…!」
「んゃぁぁぁぁっ!」
ユイが果てたと同時に俺もユイの中へと欲を吐き出し、ベッドに倒れ込むと弱々しい力でユイが俺を抱き締める。
「焦凍…私とは踊ってくれなかった」
「別にアイツらと踊りたくて踊ってたわけじゃねえだろ」
「そうだけど絶対あの子達焦凍の事好きだもん……」
「それを言ったらお前だって知らねぇ男と踊ってた」
「それも踊りたくて踊ってた訳じゃない」
「ならお互い様だろ」
その会話に抑揚は無く、言葉は零れる息と一緒に吐き出される。
今日一日は宿泊できるからこの夜はずっと一緒に居られる。
「こんな事すんのはお前だけだから安心しろ」
「うん……今日の焦凍、カッコよかったよ」
事後は恥ずかしがるようで枕で顔を隠しながら俺の事を褒めるユイ。
「お前も、可愛かった」
小さな頭を胸に抱えて、ハロウィンの夜俺達は眠りに着いた。
ハロウィン番外編
【Trick yet Treat!】