第10章 *Cultivate love (2)*
あと、2人でいる時の定位置も決まってきた。
焦凍の膝の上。
テレビの近くには小さな畳の間があって、その隣にはフローリングもあると言う何とも便利な空間。
その中で焦凍はフローリングの所にあるソファに座る事はあんまり無くて、多分無意識なんだろうけどいつも畳の上に座ってる。
焦凍の上に座るって言っても胡座をかいている焦凍の上だ。
最初は「こっちにこい」と促されておずおずと座っていた。
けれどいつの間にかそこが定位置になっていて焦凍が座っている上に私が座る。そしてそのお腹に手が回される。という状態が出来上がっていた。
ただ、その状態でキスをする訳でもなく、テレビを見たりゲームをしたりして、本当にただ座ってるだけ。これが【定位置】になってしまったからだ。
そしてこれが大きな変化なのだが、一日目にした約束……夜は何でも言うことを聞く。これが1番大きな事。
私たちはこの1週間夜に毎日同じ事を繰り返した。
「んぁっ……やぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「イッたか……ユイ……でもまだ俺はイッてない」
「待っ、いまぁっ……イッたばっか……っ!」
「ユイ……!」
「あああああっ!!!」
「はあっ、はあっ……」
そう。言うことを聞けとは夜の誘いを断るなと言うことだったのだ。
夜は寝かしてもらえず、次の日はお昼近くまで寝るという生活を送った。私の体調を考えて優しくしてくれたけどやっぱり腰が痛い。
元々生理痛が酷く、ピルを飲んでいた私は心からピルを持ってきていてよかったと思った。
「ユイ」
「何?」
時は戻り、七日目の3時過ぎ。もう時間も無い中で私達はいつもの定位置にいた。
「悪りぃ……この1週間、無理させた」
無理とはほぼ外出続きだった事か。
それとも夜眠らさなかった事か。
どっちの意味も持っていそうな焦凍の声に心の中で少し笑った。