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【短編集】My Favorite【R18】

第4章 教えてあげない*


俺は彼女に訊きながら、心の中でどっしりと構えた。
だって、俺を選んで押し倒すぐらいなんだから…。
訊くまでも無いよなって。

俺を真っ直ぐ見つめた沙里さんは、フワリと微笑んで唇の端を上げた。

答えはもちろん…

「…ふふ。教えてあげない―――――」





「ええええ!!…って、あれ?」

バッ、と飛び起きた俺は慌てて周りを見渡した。

いつもと変わらない、俺の職場……
だけど人は全然いない。

暫く呆然としながら、股間に感じた違和感。

「律人君…?どうしたの大きな声出して?」

「あっ、沙里さん…!い、いや、何でもないです!」

現状を理解し始めた時、俺の声を聞きつけた沙里さんが俺の元に来て、心配そうに話しかけてくれる。

オフィスの時計は現在午後9時。

どうやら俺は残業中に寝てしまっていたようだ。
…おまけにエロい夢を見て。

夢で勃起なんて知られたら困るので、俺は体と机の距離をギリギリまで縮めた。

「そう。律人君も残業?」

「あ、はい…そうなんです。」

「大変だね。私は今終わったから、先に帰るね。」

「は、はい!お疲れ様です。」

「お疲れ。」

爽やかな笑顔で俺に手を振り、背を向けて去っていく沙里さん。

彼女のスカートの横部分が妙に膨れていたのは、きっと気のせいだろう――――――
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