第25章 新しい女中
【PM19:00】
山崎
「…出ないな……どうしたんだろう……」
さっきから佐藤に電話をかけているのに、
繋がらない。
廊下でアタフタしていると…
七宮
「お疲れ様です、山崎さん。
どうしたんですか?廊下で…
今夜は冷えますからお部屋に入られた方が宜しいかと。」
山崎
「…ありがとう、でも今…電話かけてるから……」
七宮
「…電話?
あー、そう言えば…
さっき山崎さん宛に事務所に電話がかかってきたんですよー。
前の女中さんの美奈からだったんです。
彼女ったら私用の理由で屯所に電話をかけて来たみたいで…
私用の連絡なら山崎さんの携帯に直接かけてくださいって注意しときましたから!」
山崎
「え!?…それいつかかってきた!?」
七宮
「本当についさっきですよ?
用件だけでも聞いてくださいって言われたんですけど…
そんなの自分勝手なんで切っちゃいました。」
山崎
「………」
今まで絶対に俺の携帯にかけてきた佐藤が、
真選組に直接かけてくるなんて何かおかしい…
山崎
「七宮さん。
美奈さんの様子は?声の感じは??」
七宮
「覚えて無いです。
わたし、基本的にどうでも良い人間の事なんて忘れてしまうんです。」
山崎
「.……」
俺は何か胸騒ぎを感じ、
佐藤の携帯にもう一度、電話をかける。
"プルルルルッ…プルルルルッ……"